茨城・大子町のカフェ&ゲストハウス 咲くカフェ LEMS

第10話「里山の回遊性集落『咲くカフェタウン』の創造」 

 
2022年、めぶきフィナンシャルグループによる「第6回めぶきビジネスアワード」で、最終選考10社に選出され最終プレゼン審査の結果、見事特別賞を受賞した現在進行形のビジネスプランを、その最終プレゼン時に使用した画像と共に全て公開。
 
【参考リンク】
 
咲くカフェタウンの創造

「大子町とはこんな町」

 まずは咲くカフェの話をする前に、咲くカフェのある大子町がどんな町かを簡単に知っていただきます。

 
茨城・大子町。咲くカフェ LEMSのコラム
 
まずは町の課題やマイナス面について、、、
茨城・大子町。咲くカフェ LEMSのコラム

 
高齢化・人口減少・人手不足・空き家の急増などと色々書いてありますが、その辺りは皆さんもご存じの通りの地方の課題であるかと思います。
ただその深刻度が大子はとても高い地域であるということをご認識ください。
 
でもマイナスな部分だけではありません。
 

茨城・大子町。咲くカフェ LEMSのコラム
 
袋田の滝をはじめとする自然資源・観光資源、「オンリーワンではないけどNo.1」のものが数々あり、漆・楮・奥久慈しゃもといった「オンリーワンでNo.1」の物も多数ある。
 
つまり資源や魅力となる素材に溢れている地域であるのだが、ただ一つ、それらを活かしきれていない部分は否めない。

 
ただ商店街では時代の入れ変わりが始まって来ていて、
 
*旅館が閉まり → ゲストハウスがオープンする
*定食屋が閉まり → カフェがオープンする
*惣菜屋が閉まり → パン屋がオープンする
 
といった生まれ変わりが起き始めている。
それが今の大子。
僕が実際にUターンして約10年住んで感じた感想です。
 

茨城・大子町の今
 

「そもそも『咲くカフェ』とは?」

さっきから「咲くカフェ」「咲くカフェ」って言ってますが、そもそも「咲くカフェ」って何?ということで、、、

 
茨城・大子町。咲くカフェとは何?
 
茨城・大子町。咲くカフェ LEMSのコラム

 
大子町の活かしきれていない可能性を開花させる=つまり文化をアップグレードさせる。
そして、「空間や時間」を商品の一部とするカフェの売り方を町に広げる。
そんなことをして町に刺激を与えていく。
 
もちろん、口で言うだけでなく実際にやって見せる!
今まで口で言うだけ言って何もやらないオジサンたちをたくさん見てきましたので。笑
 
そして今後やってくる地方時代に乗り遅れずに迎え打ち、その時には町を牽引していく存在になっている必要があると感じて立ち上げた・・・ 
 
それが咲くカフェです。

茨城・大子町。咲くカフェ LEMSのコラム
茨城・大子町。咲くカフェ LEMSのコラム
茨城・大子町。咲くカフェ LEMSのコラム
茨城・大子町。咲くカフェ LEMSのコラム
茨城・大子町。咲くカフェ LEMSのコラム
 
自分の住む家をリノベーションし、「飲食」と「宿泊」の両方の機能を併設し、「いばらきデザインセレクション2018」では最高賞を受賞。
 
今や年間15,000人の集客数を生み出す施設となりました。
 
人口15,000人で高齢化率 50%の、消滅危険都市の小さな通りにある、店内座席数20席程度の個人店で、なぜそれだけの集客を出来るのか?
 
その集客のサイクルを生み出す集客術については、有料プランとなりますのでまた別な機会でお呼びください。笑
  

「『咲くカフェタウン』とは?」

 
さて、前置きが長くなりましたが、やっと今回のプレゼンテーマ「咲くカフェタウン」の話に入ります。
 
茨城・大子町 咲くカフェタウンとは?
 
茨城・大子町 咲くカフェタウンとは?
 
咲くカフェタウンとは?
簡単に説明します。
 
咲くカフェ周辺に増えている「空き家」を活用し、回遊性とエンターテイメント性を持たせた一つの「集落=タウン」を創り上げ、集客・交流人口・雇用・地元民の生活の満足度を向上させる、という構想です。
 
咲くカフェ周辺の空き家の状態が分かるのがこちらの画像です。
茨城・大子町 咲くカフェタウンとは?

この様に、オレンジで囲まれた家が現在の空き家や空き地です。実際は他にももっとあります。
そして水色はすでに活用されている建物で、赤い枠の部分は現在進行形で、詳細はこの後に登場します。
 
さて、ここには重要なポイントが3つあります。 

茨城・大子町 咲くカフェタウンとは?
 
その1「集合体」を作る。
 
茨城・大子町 咲くカフェタウンとは?
既存店のすぐそばにわざわざ自社のお店を作ったら「お客さんを取り合っちゃうんじゃないの?」っていう人もいますが、僕は 相乗効果による底上げだと考えます。
 
遊園地的発想ですね。
遊園地って遊具がたくさんあるからたくさんの人が来ます。遊具が1つしかなかったらお客さんは来ませんよね?
 
児童公園だってそうです。子供を連れて行ったその公園に「砂場」しかなかったら、「お母さ~ん、この公園砂場しかないからつまらないよ~」ってなりますよね。笑
 
大人にとったら「お店」が「遊具」みたいなものです。
 
そしてまた、一つの集合体=「咲くカフェタウン」と名前を付けて告知することによって、プロモーション力が圧倒的に向上します。
 
イオンモールを想像してもらえれば分かると思います。
ただのビルの中に何店舗かのお店が入っている・・・というものではなく、それが=「イオンモール」なんですよね。
 
同じ様に「この辺りには何件かお店がある」「こっちにはカフェがある」「こっちにはパン屋がある」ではなく、「ここは咲くカフェタウンですよ!」「タウンの中にはこんなお店がありますよ」という魅せ方で、全店を含めたプロモーションがし易くなり、 それがブランディングに繋がります。
 
そしてポイント2!
茨城・大子町 咲くカフェタウンとは?
 
空き家の存在です。
空き家を活用するからこそ咲くカフェタウンが成長するに連れて、今まで 問題であった「空き家」が貴重な資源へと変化していきます。
壊してしまったら「ゼロ」。
空き家対策に直結しつつ、空き家の活用方法の提示にも繋がります。
 
さらに、空き家を使うからこそ「空き地」にも価値が生まれます。
空き家を店舗にすることによって、駐車場としての役割が生まれてくるのです。
 
やがて、まだ空き家じゃないのに「そろそろ家を空けてくれませんかぁ?」なんてことが起こらない様に。笑
 
最後にポイント3!
茨城・大子町 咲くカフェタウンとは?
 
地理的効果です。
ご存じの方はご存知かと思いますが、田舎には人が歩けるだけの細い路地がたくさん存在します。
 
この咲くカフェ周辺にも路地があり、 表の車道に出なくてもこの辺一帯を歩いて巡ることが出来るんです!
 
この山の斜面に建つ、田舎景色の中を歩いてお店巡りが出来るなんて、 なんて素敵でしょう♪
 
またさっきの遊園地の話じゃないですが、車を一度どこかの駐車場に停めたら、あとは車道に出なくても歩いて巡れる訳ですから、まさに遊園地の様な形になっていく訳ですね。
 
実際に、歩いて通れる路地を地図に表すとこうなります。
茨城・大子町 咲くカフェタウンとは?
 
実際の風景はこうですね。
茨城・大子町 咲くカフェタウンとは?
この奥に見える白いフェンスは咲くカフェの庭のフェンスです。
こういった道を歩いて散策できるという事です。
 
ということで、「咲くカフェタウン」として見せる事でこれらの効果が期待できます。
茨城・大子町 咲くカフェタウンとは?
 
個店ではなく「集合体」としての相乗効果の集客力。
 
ここで考えてみてください。
 
「地方に移住して自分のお店を持ちたい」「地方でチャレンジしてみたい」みたいな人は世の中に急増していますが、そんな人たちが例えば実際に【地方にお店を開業する】となると、、、
 
*物件探すにもどこの町にしようかな?
*どうやって探したらいいんだろう?
*いざお店を出してもやっていけるかな?
*業者さんも知らないし。。。
 
って、 何も知らない人が何も知らない田舎町に、ポツンと一人で起業するというのは物凄くハードルが高いと思います。不安だけでしかないと思います。
 
でも、そこで 「咲くカフェタウン」の仲間として受け入れることにより、一気にハードルが下がるのは間違いない。
それこそ、咲くカフェに来る 年間15,000人規模のお客さんの、少なくともある程度の割合の人は、そのお店にもきっと立ち寄るでしょう。
 
つまりある程度の集客も保証されている。
 
そして工事関係の業者さん情報、町のコミュニティーやイベント、様々なコネクションにも参加し易くなる。
 
圧倒的にハードルが下がるんです。
ということは、今後は自社主導のお店だけでなく、 外から参入する新規店の可能性も見込まれる。

「咲くカフェタウン 2022年の出来事」

 
野望を語ってるけど、実際のところどうなの??っていうところになります。

咲くカフェタウン 茨城・大子

 
既存店の売上も向上しているので、雇用が増え、2名の移住者を迎え入れ、そのために「空き家」の一つをシェア社員寮「咲くカフェ Life」として利用し生活中。
 

咲くカフェタウン 茨城・大子
 
その「咲くカフェ Life」のすぐ隣にある「空き地」を、自社農園「咲くカフェ Farm」として、生産・加工・販売までを行いながら、その様子を発信してエンターテイメント化させることに取り組み中です。
 
咲くカフェタウン 茨城・大子
 
咲くカフェ近くの古民家の空き家に、2拠点生活のファミリーが移住し、「蔵」を「サウナ」にリノベーションしたゲストハウスの起業準備中。
すでに咲くカフェタウンへの参画の意思を表明してくれています。
 
ということで、現在進行中の出来事を先ほどのマップに反映させるとこうなります。
咲くカフェタウン 茨城・大子
水色の部分が今説明した内容の物ですね。
 
さてここでやっと、写真中央より左辺りの赤枠の部分の話になります。
 
ここにある「空き家&空き地」を使って、咲くカフェが現在作っているのが 新店舗「咲くカフェ Flower」なのです!
 

「咲くカフェ Flower」

 
咲くカフェ Flower 茨城・大子

 
解体寸前だった古民家を入手し、 ベーカリーカフェへと生まれ変わらせる、それが「咲くカフェFlower」。 

咲くカフェ Flower 茨城・大子
 

そして先ほど話した、「空き地」の価値も出てくるというのがまさにそれで、この民家を活用するからこそ、その手前にある空き地も整備して駐車場として利用できるという。
 
ざっと、「咲くカフェ Flower」のイメージと実際の図面をお見せします。

咲くカフェ Flower 茨城・大子
 
咲くカフェ Flower 茨城・大子
 
咲くカフェ Flower 茨城・大子
 
咲くカフェ Flower 茨城・大子
 

咲くカフェのビジネスとは?

 ここまで説明したものを簡単に図で表すとこうなります。

咲くカフェタウン
 
咲くカフェという母体があって、飲食・宿泊、実は菓子製造やキッチンカーもありまして、そこに今説明した「咲くカフェ Flower」、「咲くカフェ Life」、「咲くカフェ Farm」、そこに今後は外から新規参入してくる人たちを受け入れる。
 
それが「咲くカフェタウン」」の大まかな流れになります。
 

絵にするとこうなります。

咲くカフェタウン
実はこれはもうすでに公開している咲くカフェタウンのホームページのトップ画像になります。
 
こういう見せ方で 集合体をブランディングしていく
いずれはこのマップに1軒1軒仲間が増えていくでしょう。
 
咲くカフェタウン
 
そうやって「咲くカフェタウン」が少しずつ成長し、規模が大きくなるに連れて、 咲くカフェタウンならびにこの「大子町」自体が、地方創成の一つの斬新な見本として、今後全国から注目を集める存在になるでしょう。
 
 
ということでここまで駆け足でお送りしてきましたが、皆様少しはあるコトにお気付きかと思います、、、
 
今回使用した書類のデザイン一つ、見せ方一つ、、、
 
咲くカフェは 決して「飲食」などのサービスを提供しているお店ではないのです。
 
咲くカフェのビジネスとは
 
咲くカフェの持つ「デザイン力」によって物事をエンターテイメント化していく。
 
そしてそこに 人の笑顔や感動を生み出していく
 
言い換えれば、人の 「感動をデザインする。」
 
それが【咲くカフェのビジネス】なのです!